セミナー

IIAE第二期セミナー 影響・曝露

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第1回2019年08月06日篠原 直秀

個人曝露評価

ヒトの健康を考える上で、実際に摂取する量を把握し、対策の検討や実施を行うことが必要である。
実際に個人曝露量がどのような場面で測定され足り推定されたりしているのかを、実例を挙げながら紹介させていただき、リスク評価やリスク管理(対策)に繋げていくかを話させていただきたいと思います。

<目次>
1. はじめに
2. 個人曝露とは?
3. 個人曝露量測定の必要性
4. 個人曝露量の導出方法
5. 個人曝露量測定 ~各種事例の紹介~
6. 個人曝露量推定 ~定点測定とモデル~
7. リスク評価、リスク管理
8. おわりに
以上
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第2回2019年08月20日小野 雅司

熱中症の現状と対策 -地球温暖化、ヒートアイランドの影響を中心に-

総務省消防庁発表によると、昨年度全国で9万5千人を超える人が熱中症(疑いを含む)で救急搬送され、過去最多を更新した。今年も、梅雨明けと同時に猛暑が来襲し、全国各地で熱中症の発生、死亡の報道が相次いでいる。熱中症の増加は地球温暖化、ヒートアイランド現象の影響ではないかと言われているが、明確な回答は得られていない。
本セミナーでは、国立環境研究所が取り組んできた、東京都および全国政令市の救急搬送データを活用した熱中症患者速報事業に基づいて、熱中症の現状と課題を整理するとともに、地球温暖化やヒートアイランドの影響、そして対策について紹介する。最後に、来年7月、8月に開催される東京オリンピック2020における熱中症に対する環境省の取り組みについて紹介する。

目次
1. 熱中症の現状と課題
2. 地球温暖化とヒートアイランドの影響
3. 熱中症弱者への対策
4. 東京オリンピックへ向けて

以上
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第3回2019年09月03日小川 和雄

大気汚染の植物影響

 植物は光合成の過程で葉面の気孔からCO2を取り込むので,同時に一部の大気汚染物質も吸収・吸着して大気汚染の改善に寄与している。
しかし、著しい大気汚染は人間への健康影響ばかりではなく、植物にも重大な影響を与える。歴史を振り返ると、鉱山周辺の森林への煙害をはじめ、工業地帯周辺の農作物や街路樹被害などが相次いで発生している。70年代以降は光化学オキシダント被害が顕在化し、1都9県による共同モニタリング調査等も行われてきた。90年代には、平地のスギ枯れや山岳部の森林衰退が酸性雨が原因と、大きな話題となった。
本セミナーでは、「大気汚染の植物影響」について、演者が取り組んできた、光化学オキシダント(オゾン)の植物影響や、スギ枯れなどの調査結果を中心に紹介する。

目次
1.大気汚染と植物
2.大気汚染による可視障害事例
3.光化学オキシダント(オゾン)による植物影響
4.「酸性雨」の植物影響-スギ、シラビソについて-

以上
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第4回2019年09月17日森口 祐一

SPMろ紙測定と移流拡散沈着モデルによる事故後 初期の大気中放射性物質分布の再現

要旨
東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故に伴って、大量の放射性物質が環境中に放出された。大気中に放出された放射性物質は、移流・拡散の後、地表への沈着によって、広い範囲に長期にわたる影響を及ぼす一方、事故直後のプルーム通過時には、呼吸により体内に取り込まれ、内部被ばくを引き起こす恐れがある。しかし、事故当時の被ばく量の直接測定や大気中濃度の実測値は限られていた。そうした中、大気環境常時監視測定局で浮遊粒子状物質(SPM)の測定に用いられるテープ状ろ紙上に放射性物質が捕集されていることに大気環境研究者が着目し、行政機関に対するろ紙試料の保全・提供協力依頼、試料の収集、測定、解析を経て、事故後初期の放射性物質の時空間分布が明らかにされてきた。一方、国内外の多くの研究グループが、ATDMを用いた事象の再現に取り組み、、モデルの相互比較も行われてきた。
本講演では、講演者が研究代表者を務めた「原発事故により放出された大気中微粒子等のばく露評価とリスク評価のための学際研究」やその先行研究、関連研究の成果を中心に、事故後初期の大気中放射性物質分布の再現に関する研究成果を紹介する。また、事故由来の環境問題の調査研究の進展と課題についても概説する。

目次
1.自己紹介と背景-衛生工学、エアロゾル、放射性物質
2.事故後初期を振り返って
3.環境動態解明のための分野横断的、学際的研究
4.初期被ばくの解明への取り組み
5.SPMろ紙測定とATDMから得られてきた知見
6.残された課題の解明に向けた総合解析
7.おわりに:事故の教訓と災害環境学

以上
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