セミナー

令和4年特別セミナー 第2回

主催  :一般財団法人大気環境総合センター

開催時間:13:30~15:30(受付13:00~)

開催形式:ZOOMによるオンライン開催

講師 奥田知明高野裕久島正之

申し込み:要事前登録(ホームページからお申し込みください)

参加費 :賛助会員 無料、セミナー会員 1,000円、一般 3,000円

お振込み先:

ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ)

店番:018 種目:普通 口座番号:9872334

口座名義:ザイ)タイキカンキョウソウゴウセンター

<ゆうちょ銀行口座間、郵便局からのお手続きの場合>

記号・番号:10160-98723341

口座名義:ザイ)タイキカンキョウソウゴウセンター

 

開催日講師概要予約申込テキスト
2022年02月16日

PM2.5の健康影響

講師(敬称略):
〇奥田知明 『PM2.5の採取・分析と環境動態-サイクロンによる新たなアプローチ-』

〇島 正之 『PM2.5の疫学』(仮題)

〇高野裕久 『PM2.5の実験的(毒性学的)研究に関する最近の知見』
近年、国内外由来の2.5 μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)の健康影響が注目されている。統計学的に、PM2.5の上昇と相関する健康影響として、発癌、全死亡率、呼吸器系や循環器系の疾患による死亡率、それらの疾患の悪化、中でも、気管支炎や気管支喘息の悪化、アレルギーに関わる疾患や症状の悪化等が挙げられている。また、PM2.5による死亡率および有症率の増加や症状悪化を理論づける病態生理学的メカニズムに関しても、多くの仮説と実験(毒性学)的知見が提唱され、これらをまとめ、理解する試みも進展してきている。例えば、呼吸器系にPM2.5が影響をもたらす想定メカニズムとして、以下が挙げられている。

呼吸器系について
1)気道や肺に炎症反応を誘導し、より高濃度な曝露の場合、肺障害が発現する。
2)気道の抗原反応性を増強し、喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる。
3)呼吸器感染の感受性を増加する。

一方、PM2.5の構成成分は多様であり、移送時の二次生成・変化も存在するため、健康影響の発現や悪化に寄与する主な成分や要因は明らかにされていない。PM2.5の健康影響を決定する成分や要因を特定するために、最終的には、実際の成分測定を担う大気観測研究とともに、当該成分や要因と健康影響の相関性を検証する疫学的研究が必要となる。しかし、膨大な構成成分よりなり、二次生成・変化を受けるPM2.5のいかなる要素に注目すべきかを明らかにするためには、実験(毒性学)的アプローチを先行させることが不可欠である。換言すれば、病態生理学的メカニズムに立脚したPM2.5成分・要因の影響評価研究を進め、健康影響を決定する真の要因や化学成分を同定し、健康影響をエンドポイントとするPM2.5成分モニタリング対象候補物質(群)の特定につなげることが、極めて重要である。
 
 我々は、気管支喘息の悪化に寄与する主なPM2.5成分や要因を明らかにするため、動物実験とともに、大気環境汚染物質と呼吸器系との最初の物理化学的接点である気道上皮細胞やアレルギー・アトピー成立に関わる抗原提示及び免疫応答を担う免疫担当細胞など、様々な細胞を用いた実験研究的アプローチを進めてきた。当初はフィルター抽出物を対象とし研究を進めたが、フィルターからの抽出物を用いた従来の研究では、PM2.5に含まれる‘抽出可能’な成分の影響を評価することは可能であるものの、不溶性の粒子を含むPM2.5そのもの(全体)の影響を評価することはできない!という致命的な問題を残していた。また、大気中に存在するPM2.5中の成分を、あるがままの化学形態で評価ができているのかも不明であった。その後、「新規採取法及び細胞・動物曝露実験によるPM2.5の健康影響決定要因の同定-環境省推進費CYCLEXプロジェクト」において、曝露実験による健康影響評価に十分な量のPM2.5の確保と、実環境大気中の化学性状を保持したPM2.5の採取を可能とする新規技術を確立し、PM2.5粒子全体を用いて影響評価を実行し、健康影響を決定する真の要因や化学成分を同定することをめざした。
本講演では、これまでの我々の研究や「新規採取法及び細胞・動物曝露実験によるPM2.5の健康影響決定要因の同定-環境省推進費CYCLEXプロジェクト」の成果を中心に、PM2.5の実験的(毒性学的)研究に関する最近の知見について口述する。
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